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“犬ヶ島”で繰り広げられる、少年と犬の冒険物語<犬ヶ島:感想>

少年と犬の絆を新しい表現で描く、

日本へのリスペクトが詰まった冒険映画

 

ざっくりあらすじ

“いま”から20年後の日本、ウニ県メガ崎市では「ドッグ病」が蔓延し、人間への感染が恐れられていた。小林市長は、ノラ犬も飼い犬もすべて「犬ヶ島」というゴミ島へ強制追放すると宣言。その影響で少年・アタリの護衛犬も犬ヶ島へ追放されてしまうが、アタリは愛犬を取り戻すために独り犬ヶ島へと向かう。そんな中、本土ではドッグ病に効く血清が誕生するも……。

「ダージリン急行」「グランド・ブダペスト・ホテル」などの監督を勤めた、ウェス・アンダーソンのストップモーションアニメ映画。

監督独特の「間の魅せ方、画の切り取り方、左右対称」が印象的なシーンも健在。そこに「日本の文化」が融合することで、まったく新しい表現が生まれている超すごい映画!

 

キャスト紹介

この映画、著名な方々が多く声をあてているのです。
(写真は公式ホームページより引用)


少年・アタリ役〈コーユー・ランキン〉
彼は本作が初の長編映画出演。声を収録した当時は8歳。
短編映画などには多数出演しているそうですが、今後の飛躍が楽しみ。


護衛犬・スポッツ役〈リーブ・シュレイバー〉
「スクリーム」や「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」などに出演。


野良犬・チーフ役〈ブライアン・クランストン〉
「リトル・ミス・サンシャイン」「アルゴ」「30年後の同窓会」などに出演。

その他、〈エドワード・ノートン〉〈ボブ・バラバン〉〈ビル・マーレイ〉〈ジェフ・ゴールドブラム〉〈スカーレット・ヨハンソン〉〈ティルダ・スウィントン〉〈野村 訓市〉〈ヨーコ・オノ〉〈RADWIMPS・野田洋次郎〉〈夏木マリ〉〈渡辺謙〉などなどが声を当てております……豪華すぎる。

正直、だれがどの声をやっていたのかがまったくわからず笑、パンフレットを見てやっと把握しました。オノヨーコはオノヨーコってキャラクター名だから分かったけど……。 笑

 

感想(ネタバレなし)

ウェス・アンダーソンの世界観がビシバシ感じられるストップモーションアニメ映画。
これは誰が観ても興奮し、懐かしさを感じ、素晴らしい世界観に目を輝かせると同時に、風刺の効いたキャラクターやストーリー展開に圧倒されること間違いなし。

ポイントをまとめてみるとこんな感じ。

  1. 犬と人間の絆
  2. デザインと世界観の魅せ方
  3. 字幕で観て欲しい
❶ 犬と人間の絆


なんといっても犬と人間の絆の描き方が逸品。
私はもっぱらの猫好きだけれど、観賞後はめちゃくちゃ犬が飼いたくなった…笑。

少年・アタリは12歳。犬という“友達”との関わりを、最も全力で楽しめる年頃ではないだろうか。だからこそ、愛犬を独りでも助けに行くという決断をした。

犬ヶ島で出会う犬たちは、常に「ご主人」を求めているのがとても印象的だった。その理由…というか、「人と犬」の関わり合い・支え合いが、見事に描かれている。ただご飯をあげる人・くれる人という立場上の関係ではなく、かといって“友情”という言葉でも表せないような絆を丁寧に表現していた。

犬を飼っている方・飼っていた方にはぜひ観て欲しい。

愛犬のことを、これまで以上に愛すきっかけになる映画だと思う。

 

❷ デザインと世界観の魅せ方

監督のウェス・アンダーソンは、日本の映画監督である黒澤明監督・宮崎駿監督に加え、浮世絵師の葛飾北斎・歌川広重に影響を受けたと語っている。

黒澤明監督からは、都市部を舞台にした映画に影響を受けたそうで、三船敏郎、志村喬などの俳優をオマージュしたキャラクターが登場している。

宮崎駿監督からは、沈黙の使い方と自然の描き方にインスピレーションを受け、本作でもその影響が感じられるシーンが多く見受けられた。

浮世絵のような表現も多々登場するのも事実。(ぜひ観て欲しい!)

日本人だからこそわかる表現や、モノ・政治・大人の振る舞いなどの描写の細かさから、監督の日本への本気の愛をビシバシと感じた。一方で、日本の綺麗な部分以外も上手に表現していて唸ってしまう。

そして私が何よりかっこいい〜!と思ったのは、モダンデザインを日本の和のテイスト、そしてストップモーションアニメという手作り感のある表現と掛け合わせた点だ。

どれも昔から存在する表現方法で、目新しいものではないのに、それらが掛け合わさることで全く新しい表現を生み出していた。これはもう、めっちゃくちゃにカッコよかった!

 

❸ 字幕で観て欲しい


本作はぜひ字幕で観て欲しい。といいつつ、吹替え版でみてないので比較がまだできないんだけども……。

日本を舞台にしているのに、基本となる言語が〈英語〉なのが最高に不思議で面白い!と私は思ってる。予告編で犬が英語を話している時に感じた違和感をポジティブに受け取ってから、この映画は字幕で観ようと決めていたんだけど、正解だった。

日本語を話すキャラクターのセリフは、日本語のまま再生される。
日本人の私たちにとってはそれで良いのだけど、この映画の基本言語は英語。
英語圏の人は、わざわざ字幕付きでなんて観ないよね。ではどんな風に表現しているのか……。特にニュースのシーンとかが面白く表現されているので注目して観てほしい!

ちなみに、字幕用にスクリーンの下の黒帯が通常よりも広く取ってあるため、字幕は見やすのですが、文字が若干小さいので後方の席から見るのは大変な可能性も。

 

犬ヶ島トリビア

  1. 100分の映画を作るために、144,000の静止画が撮られた。
  2. 作られた人形の数は1,097体。500人以上の人間と、500匹の犬。
  3. アタリの髪は手で植え込まれ、完成するまでに2日を要す。眉毛はピンセットを使い一つ一つ付けられている。

などなど……。
膨大な時間と、膨大な数のスタッフで制作された映画が1800円で観れるなんてヤバすぎる。隅々まで目に焼き付けたい!

その他のトリビアは公式サイトにて!(引用元)

 

ABOUT ME
haruca
映画大好きデザイナー/イラストレーター。洋画中心に不定期更新。オールジャンル観ますので、おすすめがあればぜひ教えてください!