バーチャル世界OASISを舞台としたSF映画〈レディ・プレイヤー1〉。
もうご覧になりましたか?
今回は大人気映画〈レディ・プレイヤー1〉のタイトルロゴデザインに着目してお話したいと思います! 映画の内容に触れる事はないのでご安心を!
ロゴに隠された秘密:その ❶
まずひとつめ。
SNSでも話題になりましたが、レディプレのタイトルロゴは〈イースターエッグ〉をオマージュしたデザインになっています。
イースターエッグとは、ソフトウェアやゲームの中に用意された隠し要素のことで、制作の裏話とか、裏ステージへ進めたりするオマケの裏技みたいなものです。
ちなみに、キリストの復活祭の際におこなわれる、装飾した卵を隠して子ども達に探させる遊びにちなんで〈イースター(復活祭)エッグ〉と呼ばれているそうです。
(参照:wikipediaイースターエッグ(コンピュータ))
(画像引用:公式ホームページより)
さて、本家のポスターにあるエッグを赤丸で囲ってみました。アルファベットのOの真ん中にエッグがあるの、わかりますか!
さらに、文字同士が絶妙に繋がって迷路のようになっています。「イースターエッグ(隠し要素)を探す」という映画の趣旨にあっているデザインかつ、ゲームを題材にした映画ならではの遊び要素(迷路)が入っているかっこいいデザインですね。
対して日本のは……
(引用:映画ナタリーより)
原題のアルファベットロゴを引用しているのでエッグは健在ですが、
肝心の迷路が消えてしまっていますね……。残念!
日本語タイトルはモリサワの〈ゴシックMB101〉っぽいような……? 濁点の位置をいじったり平体をかけているように見受けられます。迷路感もイースターエッグ要素もありません……泣
さらに本家のロゴデザインの素晴らしさがわかる要素があります。
原作の書籍の表紙です。
実際に見てみると、原作の表紙には「ONE」のOの中に鍵が描かれているのがわかります。
(原作表紙引用:wikipedia,Ready Player One)
さきほどご覧いただいた本家のロゴデザインと同じですよね。
このように、原作の要素もきちんと踏襲し、なおかつ映画の内容に合わせて〈エッグ〉のモチーフにするあたり、海外のロゴデザイナーさんの作品への愛が伝わってきます。
ロゴに隠された秘密:その ❷
そしてふたつめ!
ふたつめは「アルファベットに小文字と大文字が混ざっている」ことです。
基本的に大文字のアルファベットで書かれているのですが、どこが小文字かわかりますか?

正解は赤丸で囲んだ部分です!〈AとY〉が小文字になっています。

「えっ、これでいいの?」と思いますよね。これで大丈夫なんです。
というかむしろ、ロゴデザインのために、イメージや形を優先して、大文字であるべきところを小文字に、小文字であるべきところを大文字にするのは、当たり前におこなわれています。
有名どころだと、〈サントリー〉や〈ブラウン〉のロゴ。
(引用:wikipedia,サントリー)
(引用:wikipedia,Braun)
〈サントリー〉は「Uがu」「Nがn」に、
〈ブラウン〉も「Nがn」になっていますね。
しかも、小文字になっているのに、大文字と同じ大きさで描かれています。
でも不思議と違和感もなく、むしろ馴染んでいますよね。というか、言われるまで気づかないよ!ってくらいに溶け込んでいます。
恐らくどちらも、ブランドのイメージを表現するのに何が相応しいかを考え、ロゴとして機能するように、文字を一つのオブジェクト=形として捉えてデザインしていると思われます。
特に判りやすいのはサントリーのロゴです。

見れば見るほど〈水が流れていくイメージ〉が伝わってきますね。小文字のuとnは、それぞれを180度回転させたかのように同じ形だし、丸っこくて柔らかな印象。ほどよい抜け感と曲線の滑らかさも相まって、波(〜)のイメージが湧いてきます。この二つのアルファベット(特にn)が、大文字だったらここまでの爽やかさは出せなかったのではないでしょうか。
このように、形やイメージを優先して小文字と大文字の選択がおこなわれる事は、海外ではよく見受けられるそうです。
海外のショーウィンドウや、身の回りのロゴに隠れていないか探してみてくださいね。
丸投げですみません笑
肝心の映画の感想はこちら! 併せてご覧くださいませ。
