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限りなく日常に近い映画〈Paterson/パターソン〉

「毎日がハッピーだよ!」って押し付けてくる映画じゃなくて

「毎日ってこんなもんだよね」って同調してくれる映画。

劇中のどのシーンを切り取っても画になるほどの映像の美しさは、何回でも味わいたくなる。

 

ざっくりあらすじ

詩を書く趣味をもつバスの運転手〈パターソン〉と、アートな感性を持つ妻の〈ローラ〉が過ごす〈とある1週間〉を描いたストーリー。

ただ静かに、淡々とありふれた毎日が続いていきます。

物語の中心人物となるパターソンは〈アダム・ドライバー〉。
数多くの映画に出演していて独特なオーラを放つ彼は、スターウォーズ:最後のジェダイに出演しているのが記憶に新しいですね。
今作では、静かなのに存在感のあるキャラクターを演じています。

パターソンの妻は〈ゴルシフテ・ファラハニ〉。
イラン・イスラム共和国の女優さんです。意思が強そうに見えて、儚げな印象をもつ彼女にぴったりなキャラクターのローラ。終始可愛らしいです。

 

映画から感じたこと

ネタバレなし

淡々と繰り返される日常。でもその中に、自分と重なる部分が見えたり、はたまた2人を羨ましく感じたりしてしまう瞬間もある。

自分の長い人生ではなく、〈ありふれた1週間〉に目を向けることで、そこにある“特別”や、少しの変化、尊さ・儚さに気づくことができる。

忙しかったり悩み事があると忘れがちだけど、1週間って私だけのものじゃなくて、
みんなに平等に1週間があって、みんな悩んだり楽しい事したりして生きてるんだな、と改めて気づかされる。

当の本人からすればつまらない日常でも、他人からすれば特別な日常にだってなり得るんだって、思える映画でした。

 

ネタバレ注意

※以下からラストの展開に関わるので注意!

 

 

劇中のBGMがなにやら不穏な空気を含んだ感じなのも、映画にあってる。
毎日一回は双子に出会うところとか。ちょっとミステリアスですよね。

バスの乗客の会話を聞いて微笑むパターソンすごく良い……。人の日常や会話を垣間見て「ふふ」ってできる人って相当余裕がある人なんだなと思う。

そして、ローラとの生活も可愛くてたまらない。

天真爛漫、自由奔放なローラとの掛け合いとか、朝目覚めてキスするときとか、愛に溢れててこっちが恥ずかしくなっちゃうほど。正直羨ましい。

300ドルのギターを働いてない妻に買ってあげるか、普通!  「300ドル?!高いな」って顔に出しつつも結局買ってあげるパターソン…。ギターが届いてワクワクで弾いてみせるローラもかわいい。

ローラはきっと気づいてないだろうけど、ローラの自由奔放さとアーティスティックな面は、パターソンの心の支えにもなってただろうし詩を綴る際のエネルギーにもなっていたんだろうな。

その他にも、バーのマスターや常連客とのやりとりも楽しかった。

パターソンが主人公なんだけど、その周りの人物もついつい気になっちゃうほどキャラ立ちしていた。

 

 

 

でもね、私最後の永瀬さんは正直「アーハン?」って感じでした。笑

アダムドライバーの繊細で自然な演技が全て台無しになっちゃったと思った。
限りなく日常に近い作り物が、一気にただの作り物になってしまってとてもガッカリ。

 

まあ、それも意図してやってるのかも、と思えるくらいに計算し尽くして自然な日常を描いている映画だとおもう。

 

アメコミとかゴテゴテのアメリカ映画を最近はよく観ていたので、こういった映画もなかなか刺激になってよかったです。

 

 

ABOUT ME
haruca
映画大好きデザイナー/イラストレーター。洋画中心に不定期更新。オールジャンル観ますので、おすすめがあればぜひ教えてください!